ニュース

　福島第１原発事故を調査した国会の事故調査委員会の報告会が８日、島根県松江市の県民会館であった。調査統括を務めた宇田左近氏（ビジネス・ブレイクスルー大大学院教授）が事故を「人災」と結論付けた７月提出の報告書について説明した。

　宇田氏は東日本大震災前に備えておくべき対策が不十分だったとし、「経済産業省など規制当局が電気事業者の言いなりになっていた」と指摘した。事故の直接的な原因は「津波に限定せず、地震による機器の損傷などの可能性もある」とし「幅広く想定し再発防止策を考えるべきだ」と強調した。

　報告会は民主党県連の主催。約１００人が聴講した。参加者からは「民間の専門家が行政を監視する今回のような調査委が今後も必要」「政府はしっかり報告書に盛り込まれた提言を反映してほしい」などの声が上がった。（川上裕）

（２０１２年９月９日朝刊掲載）