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島根原発オフサイトセンター 放射性物質を防護へ 県が対策

 島根県は10日、中国電力島根原発(松江市)の事故発生時の対策拠点となる県のオフサイトセンター(同)について、放射性物質の防護対策に乗り出すと発表した。福島第1原発事故で放射性物質が漏れ、近くのセンターが機能不全に陥った福島県の教訓を重視。11月に設計に着手し、2013年度中の工事完了を目指す。

 センター(鉄筋3階一部4階建て延べ約820平方メートル)は、原発の南東約9キロ。県は事故に備え、代替拠点を原発30キロ付近に設ける検討も進めている。しかし県庁に近く、指令拠点として好都合なセンターの安全性向上も重要と判断した。

 防護の手法は経済産業省原子力安全・保安院が8月末に示した方針を参考にする。放射性物質を取り除く空気浄化フィルター設置や換気設備の交換などが候補で、11月からの調査で効果的な手段を決める。

 調査設計費約5千万円を本年度一般会計補正予算案に計上した。改修工事を含めた総事業費は数億円の見通し。財源は全額、国の交付金を充てる。保安院によると、オフサイトセンターは原発が立地する13道県に16あり、放射線の防護対策を検討中という。

 県原子力安全対策課は「事故時に県庁と連携して住民に情報発信するため、センターの安全性向上が欠かせない」としている。(樋口浩二)

(2012年9月11日朝刊掲載)

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