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おりづるタワー集客強化 展望客見込みの3割 時間延長や料金割引

 原爆ドーム東隣の複合ビル「おりづるタワー」(広島市中区)が、12、13階の展望スペースへの来場者を増やそうと、営業時間の延長や料金の割引に取り組んでいる。初年度の来場者数は当初見込みの3割強にとどまった。開業から2年目に入り「広島のランドマーク」となれるか真価が問われている。

 観光客が多い7、8月の限定で、展望スペースの営業時間を従来の午前10時~午後7時から、午前9時~午後8時へ拡大した。午後5時半以降はジュースなどを1杯無料で提供する。8月からはデッキにろうそくを並べる演出も始めた。運営する広島マツダ(同)の松田哲也会長は「地元の人にも仕事帰りに来てもらいたい」とアピールする。

 リピーターを増やすため、2月には15カ月間何度も入場できるパスポート(大人6800円)の販売もスタート。大学生を900円、外国人観光客は折り鶴用の折り紙が5枚付いて1100円とする割引も年末まで実施する。通常の入場料は大人1700円。

 ビルは地上14階、地下2階建て。展望スペースは昨年7月に開業した。平和記念公園を望む景色を眺められるほか、有料で折り鶴を作ってビル北側のガラス張りの壁に投げ入れられる。

 ただ、無料期間を除いた1年間の来場者数は約12万4千人と、当初見込んでいた38万人を大きく下回った。ことし6月30日まで約1年間の収支は約6億2千万円の赤字だったという。

 松田会長は「入場料が高いという声や、平和でもうけるなという意見が寄せられている」と明かしつつ、「広島のためになればという意気込みでつくった。市民に愛される施設を目指す」と力を込める。(松本真由子)

(2017年8月4日朝刊掲載)

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