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平和研 大学敷地に移転 院と連携 専門家育成を強化

 広島市立大(安佐南区)は本年度中に、中区大手町にある付属機関の広島平和研究所を、安佐南区大塚東の大学キャンパスに移転させることを決めた。大学院と連携させて、被爆地の大学として平和学に関する専門家の育成機能を強化する。現在の平和研のスペースは来年度、縮小した上で同大のサテライトキャンパスにする。(加納亜弥)

 平和研は大手町平和ビルの9、10階(計約1300平方メートル)を賃借している。教授や准教授たち専任研究員11人が在籍。安佐南区のキャンパスまで講義に出向いている。

 同大は昨年度、大学院に中国地方で唯一、平和学の学位(修士)を取得できるカリキュラムを開設した。来年度は博士課程も設ける予定でいる。同大は平和研の移転を機に、研究員の教育参加をさらに広げる方針でいる。

 一方、現在の平和ビルの賃借料は年間約3600万円。同大は財務基盤の強化を目指し、2009年度にまとめた中期計画(10~15年度)でキャンパス内への移転検討を盛り込んでいた。

 当面の移転先として情報科学部棟別館4階(約930平方メートル)を利用する。10月から移転作業に入る。その後、同大は平和ビルに借りているスペースを縮小。13年度からサテライトキャンパスとして社会人の語学学習や市の職員研修などを受け入れる。

 同大は最終的な移転先に、市土地開発公社がキャンパス東側に市立大用地として所有する未利用地を視野に入れる。青木信之副学長は「各国から研究者を迎える態勢づくりも含め、平和研の機能拡充を目指す」としている。

(2012年9月12日朝刊掲載)

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