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血液管理を一元化 放影研方針 被爆者から採取試料

 放射線影響研究所(放影研)は13日、被爆者から採取した血液などの膨大な試料を一元的に管理する「生物試料保存センター(仮称)」を来年度、広島市南区の施設内に設置する方針を明らかにした。試料の情報をデータベース化して外部にも公開し、放射線に関する研究に活用してもらう。

 この日、放影研であった被爆者や医療、行政関係者でつくる「広島地元連絡協議会」(会長・浅原利正広島大学長)で報告した。

 放影研の前身で、1947年に米国が設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)時代から採取していた被爆者の試料は、血液と尿だけでも約80万点に上る。計画では、研究部ごとに管理している試料を施設内の1カ所に集約する。

 併せて、採取した人の年齢、性別、浴びた放射線量などの情報を試料ごとにまとめたデータベースをつくって共有し、外部の研究者にも公開する。

 センターの設置は、放影研がことし6月に発表した将来構想に盛り込んでいた。大久保利晃理事長は「これほどの量の試料を長期間保存している研究機関は国内には他にない。専任の研究者を配置して適切に管理したい」と述べた。(田中美千子)

(2012年9月14日朝刊掲載)

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