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検証結果 年内にも公表 「黒い雨」 データ活用を判断

 被爆直後の広島、長崎で「黒い雨」を浴びたと1万3千人が回答したデータの存在が判明した問題で、保管する放射線影響研究所の大久保利晃理事長は13日、データを科学的に活用できるかどうかの検証結果を、年内にも公表する考えを明らかにした。

 データは1950年代、放影研が被爆者の面接に使った質問票。雨に遭った場所や被爆後の発熱、脱毛など14の症状の有無などを尋ねている。昨年秋に存在が判明後、被爆者や市民団体などから広く公開するよう求める声が上がっていた。

 この日の広島地元連絡協議会で大久保理事長は「地元の意見を踏まえ、内部でデータが科学的に使えるかどうか検証してきた。結果を報告できると思う」と説明。終了後の記者会見で浅原利正会長(広島大学長)は「被爆者は高齢化している。できるだけ早く対応を」と注文した。(田中美千子)

(2012年9月14日朝刊掲載)

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