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オスプレイ 岩国市議会に説明 再発防止策 質問相次ぐ

 垂直離着陸輸送機オスプレイの事故について防衛省が説明した14日の岩国市議会全員協議会。モロッコと米フロリダ州で相次いだ事故原因を「人的要因」とする見解に対し、市議から再発防止策への質問が相次いだ。全協は質疑応答を含め約2時間10分に及んだが、試験飛行などを含めた質問への回答は、これまで政府が示した内容の域を出なかった。

 防衛省側は神風(じんぷう)英男政務官や中国四国防衛局の幹部たち計19人が出席。墜落原因について「機体に問題はなく、人為的ミスだった」とする日本政府の検証結果をあらためて説明した。議場で市の執行部が座る席に並び、議員からの質問内容に応じて担当者が説明した。

 全9会派の持ち時間は所属議員数に応じて23~4分。オスプレイの操作性▽人為的ミスを防ぐ対策▽パイロットの訓練方法―などを15人が質問した。

 防衛省側は「操縦はむしろ容易」「自衛隊からみれば、(米軍の運用は)多少ずさん」などと答え、人的ミス防止のため習熟度の高いパイロットが搭乗するよう日米合同委員会で求めているとした。

 神風政務官は、下関市沖の日本海にある米軍訓練空域での試験飛行を米側と調整していることについても理解を求めた。

 事前に防衛省側の回答時間も含めた持ち時間が決められていたため、回答が途中で打ち切られる場面も。また尖閣問題にも触れ「オスプレイ配備大賛成」と訴える市議もいた。

 傍聴席には市民32人が集まり、メモをとりながら議場のやりとりに耳を傾けた。同市平田の無職山本三義さん(74)は「(防衛省側は)決まったせりふを話しているだけ。安全性への不安はまったく拭えなかった。回答が途中で打ち切られるのも納得がいかない」と不満顔だった。

(2012年9月15日朝刊掲載)

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