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旧向島紡績の英兵士慰霊板 工場跡の商業施設へ

 尾道市向島町の旧向島紡績工場の外壁に取り付けられていた英兵士の慰霊メモリアルプレートの移設先が決まった。工場解体に伴い、新たな設置場所を探していたが、工場跡地に来年2月開業する複合商業施設の一角に落ち着く。

 プレートの保存運動に取り組む市民グループ「尾道赤レンガの会」によると、敷地内の南東約110平方メートルを開発主体のエブリイ(福山市)から無償提供してもらう。プレートを置く床や背面の壁に工場取り壊しで出た赤れんがを再利用する。

 移設費用は約220万円を見込み、れんがの販売や募金、エブリイから受けた50万円の寄付を加えて賄う。来年2月の完成に向け、引き続き、寄付を募るという。

 プレートは金属製で市民有志が2002年にのこぎり屋根が特徴の工場外壁に設置した。戦時中に捕虜収容所だった隣接する建物で亡くなった英兵士23人の名を刻んでいる。南沢満雄会長(70)=向島町=は「歴史を学びながら、国際交流もできる場にしたい」と話している。(鈴木大介)

(2012年9月17日朝刊掲載)

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