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基地との共存に不安も 艦載機移転開始 反対派 周辺で抗議行動

知事・岩国市長「長崎原爆の日 遺憾」

 9日、米海兵隊岩国基地(岩国市)に、米海軍厚木基地(神奈川県)から移転する空母艦載機61機の第1陣としてE2D早期警戒機5機が到着した。滑走路を見渡す基地北側の堤防道路には移転反対派の市民団体のメンバーや航空ファン、報道陣たちが詰め掛け、市と県も情報収集と確認を急いだ。

 午後0時10分、霧が立ち込める岩国基地上空に、機体上部に円盤を載せたプロペラ機が南側から姿を現した。中国四国防衛局から県と市へ、E2Dの離陸を知らせる一報が入ってから約1時間半後。滑走路上空をいったん通過し、時計回りに大きく1周するようにして同12分に着陸した。別の3機も南側から次々と進入してきた。

 4機は空母艦載機の特徴である両翼を折り畳み、岩国錦帯橋空港に近い格納庫前で駐機。乗組員の家族とみられる女性や子どもたちが「WELCOME HOME(おかえり)」などと書いたプラカードを掲げた。

市民団体が集会

 堤防道路では、基地機能の強化に反対する市民団体が緊急集会を開いた。約10人が「艦載機移駐は許さないぞ!」などと書いた横断幕を掲げて抗議。ステルス戦闘機F35Bの離陸音が響く中、「住民投票を力にする会」の松田一志代表は「基地被害との共存は嫌だ。断固拒否する。その思いを大きく広げていく出発点にしたい」と気勢を上げた。

 神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地。艦載機を搭載する空母ロナルド・レーガンは午後0時43分、母港に入港した。厚木基地ではこれまで、空母の横須賀寄港の前後に艦載機の離着陸が増えていた。岩国基地も同様となる見込みだ。

 午後1時ごろ、同基地の滑走路北端に近いフェンスそばに岩国署のパトカーが到着。同署によると、米軍側の要請で、「一般男性2人がフェンスに近寄り過ぎた」という。

 同49分、残る1機が到着。風向きが変わり、滑走路北側から進入し、他の4機とともに駐機場に並んだ。

今後さらに56機

 今後さらに、来年5月にかけてFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機48機を含む56機が移転する予定。市役所で福田良彦市長は「市民が抱いている騒音などの不安について現状を把握し、改善が必要なところはしっかりと促したい」と述べた。

 この日は72年前、長崎に原爆が投下された日。県庁で取材に応じた村岡嗣政知事は「長崎原爆の日と重なったのは残念」と答えた。福田市長は「非常に遺憾。原爆投下時間帯を避けたのは一定の配慮があった」とした。

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8・9ドキュメント

10・45 E2D4機が、岩国基地に向けて厚木基地を離陸
11・02 長崎原爆投下時間。村岡嗣政知事が意見交換中だった県内の漁業者と      黙とう。岩国基地では米軍機の離着陸はなし
12・00 残るE2D1機も厚木基地を離陸
12・12 岩国基地に1機目が着陸。順次、3機が姿を現す
12・17 4機目が着陸。反対派4団体でつくる「異議あり!『基地との共存』      市民行動実行委員会」は堤防道路で緊急集会を開く
12・20 村岡知事が県庁で記者団の取材を受け「長崎原爆の日と重なったのは      残念」
12・43 横須賀基地に艦載機を搭載する空母ロナルド・レーガンが入港
13・49 5機目が着陸。駐機場を移動し、格納庫前に5機が並ぶ
14・30 岩国市の福田良彦市長が市役所で記者団の取材を受ける

(2017年8月10日朝刊掲載)
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