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首相、発射阻止に全力 北朝鮮ミサイル 広島・島根知事らと会談

 安倍晋三首相は14日、北朝鮮の米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画で、上空を通ると予告された広島、島根、高知に愛媛を加えた中四国4県の知事と会談した。「県名を挙げてミサイルが通過すると発表したのは言語道断」と北朝鮮を非難した上で「中国、ロシアとも連携し圧力を高める」とし、発射阻止に全力を尽くす考えを表明した。

 広島県の湯崎英彦知事、島根県の溝口善兵衛知事、高知県の尾崎正直知事、愛媛県の中村時広知事が首相官邸を訪れた。溝口知事は冒頭、「不測の事態も危惧されるなど、これまでになく情勢は緊迫している」と指摘。国際社会と連携して挑発行為を行わせない▽発射の兆候、発射情報を直ちに提供する―など4点を求める要請書を手渡した。

 首相は「許し難い挑発行為を実行させないことが重要だ」と答え、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重抗議したと明らかにした。4県の陸上自衛隊駐屯地に航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊を配備し、日本海に海上自衛隊のイージス艦を展開していることに触れ「高度な警戒態勢を取っている。国民に被害が出ないよう最善を尽くす」と強調した。

 湯崎知事は会談後、「万全の態勢で国民の安全を守る強い意志が感じられた」と話した。4知事は外務、防衛両省にも要請書を提出した。(武内宏介、田中美千子)

(2017年8月15日朝刊掲載)

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