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海自ヘリ横転4人搬送 岩国基地 荷物運搬の訓練中

 17日午後2時20分ごろ、岩国市の海上自衛隊岩国基地で、荷物をつり下げて運ぶ訓練をしていた海自のCH101ヘリコプターが高度を下げたところバランスを崩し、主回転翼(メインローター)が地面に接触して横転した。乗っていた男性隊員8人のうち、3人が打撲や擦り傷などの軽傷、1人が体調不良を訴え、4人とも病院に搬送された。

 同基地などによると、現場は「すべり地区」と呼ばれる基地南寄りで滑走路東側の海に突き出たエリア。機体は横倒しとなり、上部の主回転翼が大きく破損。周囲には部品のようなものが散乱した。機体周辺に油も漏れたが、基地外に流出する恐れはないという。

 同基地や目撃者によると、事故機は当時、搭載される南極観測船(砕氷艦)しらせが南極に行った際に物資を運ぶ訓練中だった。ドラム缶2本(計約500キロ)をつり下げた状態で海上などを旋回し、基地に進入。地上3、4メートルの高さまで高度を下げたところで機体が不安定になり、主回転翼が地面に接触した。当時、現場周辺では風が強かったという情報もある。

 同基地は米海兵隊岩国基地と隣接。滑走路は両基地が共同で使用しており、2012年12月に開港した民間の岩国錦帯橋空港としても利用されている。事故後、滑走路は一時閉鎖されたが、民間機の運航に影響はなかった。

 岩国基地に関係する海自機を巡っては15年4月、高知県足摺岬の北東約40キロの洋上で、同基地所属の救難飛行艇US2が離水に失敗し、乗員5人が負傷する事故が起きている。

CH101ヘリコプター
 南極観測船(砕氷艦)しらせの艦載機。全長22・8メートル、幅18・6メートル、高さ6・6メートル。パイロットなどの乗員は4人で、人員や物資を運搬する。海上自衛隊は事故機を含め3機を運用している。

(2017年8月18日朝刊掲載)

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