×

ニュース

30年の苦しみ伝える 上関町長 新エネ戦略で意向

 中国電力が原発建設を計画する山口県上関町の柏原重海町長は20日、政府が原発新増設を認めないエネルギー戦略を決定したことについて「国から何らかのアプローチがあれば(上関町の)30年間の苦しみを伝える」と述べた。町議会本会議で、計画が町民対立を招いたとする反対派町議の一般質問に答えた。

 建設を推進する立場の柏原町長は「何の相談もないまま、決めるのはいかがなものか。新戦略に上関原発をどう位置づけるのか、説明がない」と不信感を表明。政府が閣議決定した「関係自治体と議論し、不断の検証と見直しを行う」などとする対応方針を挙げ「関係自治体には上関町も含まれる。町の苦しみをすべて申し上げる場がないなら、何のために国を信じてきたのか」と苦言を呈した。

 また、原発関連の国交付金や中電からの協力金(寄付金)で現在の行政サービスを維持できたと指摘。今後の行政運営に危機感を示した。(久保田剛)

(2012年9月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ