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ベネズエラの楽団 念願の被爆地ヒロシマ訪問

■記者 片山明子

 音楽活動を通じ子どもを犯罪から守ってきたベネズエラの「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」(SBYO)が19日、広島市での公演前に平和記念公園(中区)で祈りをささげた。初の日本ツアーの中でも被爆地訪問は一行の念願。平和への思いを深めた。

 欧州で活躍する指揮者のグスターボ・ドゥダメルさん(27)と10-20代のSBYO楽団員ら約250人が、原爆慰霊碑前で黙とう。協演する世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチさん(67)の姿もあった。フレンチホルンのエドガル・アラゴンさん(24)は「原爆が投下されたこの地に実際に立つと胸が締め付けられる。今夜は平和を祈る演奏にしたい」と話した。

 ベネズエラでは、ストリートチルドレンに音楽を与え犯罪から守る運動が成功。その頂点のSBYOは、著名な音楽祭にも出演し、世界で喝采(かっさい)を浴びている。

(2008年12月20日朝刊掲載)

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