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核廃絶へ 思い届けた 広島市に高校生3人 若者大使 国連活動を報告

 第20代の高校生平和大使としてスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れ、帰国した県内の3人が28日、広島市役所で記者会見した。核兵器廃絶を訴えた手応えを語った。

 英数学館高2年船井木奈美さん(16)=福山市=は傍聴したジュネーブ軍縮会議で、7月に制定された核兵器禁止条約を各国が取り上げていたと紹介。「核兵器廃絶の動きが進むよう若者で後押ししたい」と意気込んだ。

 ただ、3年続けてしていた平和大使の代表による同会議での演説は日本政府の意向で見送りに。広島大付属高2年小林美晴さん(16)=南区=は、政府主催のレセプションで各国外交官たちに祖父の72年前の体験を伝えたといい「演説がなくなったのは残念だったが、広島の思いを伝える使命は達成できた」と強調した。

 3人は広島、長崎両市を拠点とする高校生平和大使派遣委員会に選ばれ、県外の19人とともに20~24日にスイスを訪問した。皆実高3年久永風音さん(17)=安佐北区=は滞在中に世界YWCA事務所を訪れるなどして「平和について考えの幅が広がった」と振り返った。(水川恭輔)

(2017年8月29日朝刊掲載)

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