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オバマ効果 国際会議誘致 市などPR活用に手応え 

招請文記載やパネル掲示

 国際会議の誘致に力を入れる広島市や広島観光コンベンションビューロー(中区)が、昨年5月のオバマ米大統領(当時)の広島訪問をPR材料に活用している。会議の主催者への招請文に記載したり、国内外の見本市で訪問時の写真パネルを掲示したり。徐々に効果も出始めているという。(渡辺裕明)

 市は昨年6月、会議の主催者たちに送る松井一実市長の招請メッセージの内容を変更した。日本語版と英語版があり、「5月27日の広島訪問の際に、オバマ米国前大統領にも受け止めていただいたものと考えている平和を願うヒロシマの思いを共有していただきたい」と記す。

 市によるとオバマ氏の広島訪問後、今月18日までに国際・国内会議計5件の主催者たちに広島開催を呼び掛ける文書を送付。2020年に約40カ国から600人程度が参加する大学関連の国際会議など2件の誘致につながった。継続中の案件が2件、他都市に決まった案件が1件という。

 公益財団法人の広島観光コンベンションビューローも誘致活動をする国際的な見本市のブースに、原爆ドーム(中区)を背景に演説するオバマ氏の写真パネルを掲示。16年10月に米国ラスベガスであった見本市では商談件数が前年の19件から24件へ増えた。

 また、ことし3月に作った日本語と英語併記のPRパンフレットでもオバマ氏の広島訪問を紹介。同ビューローは「オバマ氏の訪問が知名度アップの追い風になったのは、間違いない」と強調する。

 国際会議は国内外から大勢の集客があり経済効果を見込める。市は20年までに年100件の会議誘致を目指している。最新の統計がある15年の開催件数は59件。市観光政策部は「しっかり種まきをして数年先の開催につなげたい」としている。

(2017年5月26日朝刊掲載)

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