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核兵器廃絶へ 日米学生会議が討論会

■記者 水川恭輔

 日米の学生交流に取り組む日米学生会議(東京)は23日、広島市中区の原爆資料館で核兵器廃絶をテーマにした討論会を開いた。原爆投下をめぐる日米の歴史観の違いを乗り越えて平和のメッセージをヒロシマから発信しようと初めて企画した。

 両国の大学生ら約40人が参加。広島市立大広島平和研究所の水本和実准教授が基調講演し「核兵器廃絶には、国益や民族の違いを超えた国際的な視点が必要」と強調した。

 続いて、学生4人がパネル討論。米国の高校に通った東京大4年川口耕一朗さん(22)は「米国は原爆投下を正当化する声が一部に根強い一方、反戦運動が盛んだ。日本も協力して盛り上げることが核兵器廃絶につながる」と指摘。米国から鹿児島大に留学中のジョシュア・シュラケットさん(26)は「劣化ウラン弾などの新たな兵器も、日米の市民が一丸となって廃絶を訴えるべきだ」と応じた。

 会議は1934年から、交流事業を開催。今年は7、8月に米国四都市で計62人の学生が共同生活する中で、核兵器の議論を深めようと今回の討論会を企画した。(水川恭輔)

(2008年12月24日朝刊掲載)

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