×

ニュース

黒い雨指定地域の拡大で住民組織が広島市に要請

■記者 森田裕美

 広島市が2カ年計画で実施中の「原爆体験者等健康意識調査」について、住民組織の県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会の高野正明会長らは25日、原爆投下直後に降った黒い雨の指定地域の拡大にもその結果を活用するよう求める要請書を市に提出した。

 要請書では、原告側勝訴が続く原爆症認定集団訴訟で内部被曝(ひばく)に注目が集まっていることを指摘。小雨地域への「健康診断特例区域」の拡大や正確な降雨図の作成という従来の要請に加え、市の調査を指定地域の拡大に役立てるよう求めた。

 市の調査では、約3万5000人に郵送形式で調査後、抽出した約1000人の個別面談調査を進めている。黒い雨の体験者も対象に含めており、心理的影響を中心に調査している。

 要請書を受け取った市原爆被害対策部の福岡美鈴調査課長は「調査の中で黒い雨の降雨状況や身体の症状についても聞いており、影響が明らかになれば、指定拡大の根拠にしたい」と説明した。

(2008年12月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ