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社説・コラム

『ひと・とき』 映像プロデューサー 小林開(かい)さん 「ひろしま」上映に使命感

 「別の映画かと思うほど鮮明になった」。広島市民約9万人がエキストラで出演し、被爆直後を描いた映画「ひろしま」(1953年)をデジタルリマスター(DR)。広島市中区の八丁座で15日まで全国初上映している。

 被爆した子どもたちの体験記を基に関川秀雄監督が映画化。当時、「反米色が強い」などの理由で大手映画会社から配給を断られた逸話が残る。「DR版で製作当初の姿がよみがえり、いっそう伝わるものがあるはず」

 祖父の小林大平さんが監督補佐を務め、父親の一平さんが2008年から全国に上映運動を広げたが、2年前に急死。当面の間だけ―と活動を引き継いだが、被爆者から「続けてほしい」と励まされ、「使命感を抱くようになった」。

 米国の会社と契約し、北米エリアでネット配信する計画も進む。「米国で話題になることで、日本の若者にも見てもらう機会が増えれば」(西村文)

(2017年9月13日朝刊掲載)

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