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相次ぐ発射 次はどこ 「避難後は」住民懸念 国際協力 効果に期待

 北朝鮮が弾道ミサイル1発を北海道上空を通る軌道で発射した15日、中国地方の市民はこれまで以上に不安を募らせた。米領グアム沖への発射計画で広島、島根両県上空を通過すると予告したのとは異なる軌道だが、前回の8月29日から半月余りでの発射に「いつ頭上を飛んでもおかしくない」と懸念する声が広がる。

 「今回はたまたま別の方角だった。挑発行為を繰り返す北朝鮮の思惑が分からず、いつ頭上を通過してもおかしくない」。福山市の主婦桑田睦江さん(70)は不安がる。

 ミサイルが日本上空を通過したのは6回目だが、半月余りの間隔で発射したのは過去にない。松江市の会社員角勝平さん(32)は「国際社会から発射をやめるよう求められても、何度も繰り返している。本当に戦争になってしまうのではないか」と心配する。

 国連安全保障理事会が今月11日、6回目の核実験強行を受けて、北朝鮮への制裁強化を全会一致で決めた直後のタイミング。中区の西村正文さん(68)は「決議の影響もあるのだろう。発射をやめさせるため、日本政府も自ら汗をかいてほしい」と受け止めた。

 防衛省は発射に備え、海田市(広島県海田町)、出雲(出雲市)などの陸上自衛隊駐屯地に、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備している。ただ、呉市の海上自衛隊呉基地や、岩国市の米海兵隊岩国基地などが標的になるのではとの不安は根強い。

 呉市の主婦梶本亜紀子さん(40)は「政府はミサイルが落ちたら建物や地下に避難するよう求めているが、その後どうするべきなのか。ほかの対策も考えないといけない」。岩国市の桜木忠雄さん(88)は「中国やロシアも含め、国際社会が協力して圧力をかけていくしかない」と指摘した。

(2017年9月16日朝刊掲載)

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