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原告側 騒音の実態訴え 岩国爆音訴訟の口頭弁論

 米海兵隊と海上自衛隊が共同で使う岩国基地(岩国市)の騒音被害を巡り、周辺住民654人が損害賠償や米空母艦載機移転の差し止めなどを国に求めた岩国爆音訴訟の控訴審の第2回口頭弁論が15日、広島高裁であった。原告側が一審判決が認定しなかった騒音による健康被害の実態を訴えた。

 原告側は一審の山口地裁岩国支部の判決が、健康被害を頭痛などの身体的被害に限定していると指摘。専門家の意見を基に、睡眠妨害に起因する健康への悪影響、疾病リスクの高まりなどを含めて健康被害の捉え方を再検討するべきだと主張した。

 また2010年5月の滑走路の沖合移設後も「騒音源は、市街地上空も通る航空機。騒音の大きさは変わらない」と主張。「騒音源が移り大きく改善した」とする国側の主張に反論した。

 原告の女性(68)は意見陳述し、8月に始まった空母艦載機の移転による騒音の拡大への不安を訴えた。(有岡英俊)

(2017年9月16日朝刊掲載)

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