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動員3生徒 慰霊の碑 終戦前日の空襲で犠牲 野田学園同窓会が建立

 山口市の野田学園の前身の野田高等女学校の女子生徒3人が終戦前日、学徒動員先の光海軍工廠(しょう)の空襲で犠牲になっていたのを、光市の郷土史研究家の秋本元之さん(81)が確認した。同学園同窓会は同校に慰霊碑を建立して16日、除幕式があった。

 3人は坂井芳江さん、小松滝子さん、藤井ハル子さん。当時、10代後半だったという。

 元浅江小校長で2010年から、旧工廠に関わる史実を調べている秋本さん。空襲で亡くなった人の名簿と在籍した学校を調べていく中で、昨年8月、野田学園の卒業生名簿に3人の名前があることを見つけた。学校側が遺族に確かめたという。

 野田学園のロゴマークをモチーフにした慰霊碑は、大小二つの球体からなり、高さ約0・9メートル、幅約2メートル。費用は同窓会が出した。

 除幕式には、遺族たち約40人が出席。坂井さんの妹の山本清子さん(86)=宇部市=は「優しく思いやりのある姉。天国で喜んでいることだろう」と話した。秋本さんは「研究が3人の冥福を祈ることにつながりうれしい。石碑が命の重みを考えるきっかけになれば」と願った。(川村奈菜)

(2017年9月17日朝刊掲載)

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