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折り鶴の灰 再生し置物 市民団体企画 23・24日絵付け体験

 平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像にささげられた折り鶴を燃やした灰を、折り鶴の置物として再生する取り組みが進んでいる。23、24日に鶴に絵付けする初の体験イベントがある。体験を通じて平和の大切さを考えてもらう。(川上裕)

 原爆ドーム前で水辺のコンサートなどを運営している市内の市民団体、なごみプロジェクトが企画した。2013年から原爆の子の像に集まった折り鶴の一部を、市から無償で譲り受け、廿日市市宮島町の大聖院境内で毎月燃やす「おたき上げ」をしてきた。

 置物は、燃やした後の灰を、土産物製造のモルタルマジック(鳥取市)が砂と混ぜ、実際の折り鶴より一回り小さい形に固める。鳥取砂丘の砂から置物を作る技術を活用する。重さは18グラム。「祈りの鶴」と名付けた。

 灰色の鶴にアクリル絵の具を塗ってもらう初のイベントは、23日におりづるタワー(中区大手町)、24日に大聖院である。いずれも午前10時~午後4時。参加は無料だが、おりづるタワーでは入場料が必要となる。それぞれ先着100人。

 広島ガス(南区)など中国地方の10社以上に協賛金を募り、今後も同様のイベントを検討する。

 なごみプロジェクトの斎藤欣也代表(60)は「灰から姿を変えた折り鶴を国内外の人々に届けたい。絵付け体験の中で、平和の大切さや原爆の悲惨さを伝える」と話している。斎藤代表☎090(8997)8192。

(2017年9月18日朝刊掲載)

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