×

ニュース

ヒロシマの校庭 平和願う児童画 広瀬で企画展

 安来市広瀬町の加納美術館で23日、企画展「加納莞蕾(かんらい)没後40年 ヒロシマの校庭から届いた絵」が始まった。原爆投下から間もない時期に、広島市中心部を描いた児童たちの絵が並ぶ。10月23日まで。

 1947年、爆心地に近い本川小(同市中区)の児童が、米国ワシントンの教会から届いた学用品のお礼として贈った絵と習字48枚の複製。2006年に教会で発見され、複製が同校に寄贈された。運動会で玉入れをする様子や本川沿いの街並みなどを描く。

 初日は絵を描いた一人、松江市上乃木の古沢知子さん(76)が講演した。約40人を前に、窓ガラスがない校舎や亡き友人との思い出、中学生の時に「原爆の子の像」建立で募金活動に携わった体験を語った。「平和な世界のためには許す心が大切。戦争は嫌と訴え続けたい」と力を込めた。

 戦後、フィリピンの日本人戦犯の赦免を実現させた安来市出身の画家加納莞蕾が、55年8月に広島で開かれた第1回原水禁世界大会に寄せたメッセージなども並ぶ。

 午前9時~午後4時半。火曜休館。一般千円、大学・高校生500円、中学生以下無料。同館☎0854(36)0880。(西村萌)

(2017年9月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ