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反核訴え62年 入館者7000万人 資料館 外国人増加目立つ

 原爆資料館(広島市中区)の入館者数が24日、累計7千万人を超えた。1955年8月の開館から約62年で達成。同館は、7千万人目となった滋賀県草津市の薬剤師平賀智晴(ちはる)さん(41)に記念品を贈った。

 同僚との旅行で初めて訪れた平賀さんは8月6日生まれ。志賀賢治館長から同館の図録などを受け取った後、「誕生日には毎年、テレビで式典を見ている。戦争や核兵器の悲惨さをかみしめ、周囲に伝えたい」と話した。

 同館は79年度以降、毎年100万人以上が訪問。2010年9月に累計6千万人を突破した。オバマ米大統領(当時)が広島を訪れた16年度は173万9986人と、過去最多を25年ぶりに更新。本年度は前年を3%程度下回る水準だが、外国人の入館者は過去最多のペースという。

 核兵器禁止条約の発効に向けた動きが進む一方、北朝鮮の核・ミサイル開発を巡って世界情勢が緊迫している。志賀館長は「世界で核兵器の被害が十分に理解されていない。いったん使われればどんな事態が起きるのか、これからも伝え続ける」と力を込めた。(山本和明)

(2017年9月25日朝刊掲載)

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