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地名が縁 被爆エノキ贈る 「全国で平和伝える役目を」 富山の松島さんに基町小児童

 広島市中区の基町小の児童が5日、校庭で育てた被爆エノキ3世の苗木を、富山県立山町の松島武さん(78)に贈った。立山町に「榎(えのき)」の地名があるのが縁で、平和を願う松島さんが植樹を希望した。

 校内であった贈呈式で、4年生19人が「原爆にも負けなかったエノキは、命の大切さを教えてくれた。物語を広めてほしい」と、40~50センチの3本を手渡した。松島さんは「思いを引き継ぎ、大切に育てたい」と感謝した。

 同小近くの本川沿いには原爆で幹が裂けた被爆エノキがあり、児童が長年守ってきた。1989年に枯死したが、種から育てた苗木を全国に送る活動を続けている。

 松島さんは地元の新聞で活動を知り、苗木を分けてほしいと打診した。13日に、立山町の榎町公民館と町役場へ植える。苗木の世話をする守下卓君(9)は「エノキの子孫が全国で、平和を伝える役目を果たしてほしい」と願った。(栾暁雨)

(2017年10月6日朝刊掲載)

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