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ドーム題材 合唱交響曲 独在住 音楽家小林さんら完成 5楽章 広島での初演望む

 ドイツ・ラインハウゼン在住の音楽家小林春仁さん(69)が、同国在住のハンガリー人の作曲家イシュトバン・ホルバートさんと手を携え、原爆ドームをテーマにした合唱交響曲を完成させた。被爆地広島で初演したいという。

 曲は5楽章で、のどかな日本の風景をイメージした旋律から始まる。戦争が激化し、原爆が投下されるまでを日本語、ドイツ語など四つの言語の歌詞と調べで表現。最終章の合唱では、擬人化したドームが平和記念公園の桜に「永久に咲けよ」と語り掛ける。

 小林さんは日本の国立音大卒。ドイツを拠点に声楽を指導し、広島をはじめ日本各地で公演してきた。新曲はヒロシマに感銘を受けた教え子の詩などから着想を得たという。小林さんは「悲惨さだけでなく、平和な未来へ向けたメッセージを込めた。紛争地や核保有国など世界各地でも演奏してほしい」と願う。(桑島美帆)

(2017年10月9日朝刊掲載)

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