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通信使行列 歴史薫る 呉の下蒲刈 記憶遺産へ期待

 朝鮮通信使再現行列が15日、一行が寄港した呉市の下蒲刈島であった。日韓の約250人が、江戸期に朝鮮半島から訪れた外交使節団に扮(ふん)して、情緒あふれる街並みを練り歩いた。

 行列の参加者は、色鮮やかなチマ・チョゴリや礼服を身に着け、松並木の石畳が続く海沿いを1・2キロ歩いた。あいにくの雨だったが、沿道の見物客は拍手で行列を迎えていた。

 通信使の最高責任者の正使役は、呉市の姉妹都市の韓国・昌原(チャンウォン)市鎮海(チネ)区の林寅漢(イム・インハン)庁長が務めた。終点の下蒲刈中では、将軍役の呉市の木坂修副市長と国書を交わして友好を誓った。

 行列は蘭島文化振興財団、朝鮮通信使行列保存会、中国新聞社の主催で15回目。島内の松濤(しょうとう)園が所蔵する絵巻物を含む通信使の関連資料は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録を申請している。

 「友好の歴史が世界的に認められれば誇らしい。再現行列もより価値が上がる」と見物した東広島市の保育士中下幸子さん(49)。今秋とされる審査で朗報が得られるよう期待を膨らませていた。(今井裕希)

(2017年10月16日朝刊掲載)

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