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外相、核廃絶決議案賛同を訴え ネットでメッセージ発信

 政府が国連総会第1委員会(軍縮)に提出した核兵器廃絶決議案を巡り、河野太郎外相が各国に賛同を求めるビデオメッセージをインターネット上で発信している。河野氏は24日の記者会見で「決議の狙いは核兵器保有国を含む全ての国に核軍縮へ関与してもらうことだと、伝えたかった」と説明した。

 動画は英語(日本語字幕付き)で約9分。河野氏は「核軍縮の進め方を巡り保有国と非保有国、また非保有国の間でも立場の違いが顕在化している」とし、橋渡し役を担うと表明。決議案について「全ての国が核軍縮に関与できるような共通の基盤を提供することを意図した」と賛同を訴えている。動画投稿サイト「ユーチューブ」に載せた。

 日本の決議案提出は24年連続で、動画での働き掛けは初めて。決議案に対しては、核兵器禁止条約に言及せず、核兵器使用の非人道性を巡る言及も例年より後退したことから、一部の非保有国が反発している。

 条約制定を後押しし、今年のノーベル平和賞受賞が決まった核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の川崎哲国際運営委員は、ビデオについて「禁止条約の話も『核兵器の非人道性』という言葉も出てこない」と指摘。「橋を渡すと言いながら保有国側に軸足を置いており、残念な内容」と批判している。(田中美千子)

(2017年10月25日朝刊掲載)

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