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被爆樹木の息吹 写す 埼玉の浅見教諭 地元で20日から展示会

 埼玉県越谷市の中学教諭浅見俊哉さん(29)が7日、広島市内で被爆樹木の撮影を始めた。カメラを使わず、感光紙で被写体の影を写し取るフォトグラムという技法。焼け野原となった被爆地に再び芽吹いた樹木の生命力を、写真展などで伝えたいと制作に乗り出した。(藤村潤平)

 中区の平和記念公園や広島城の周辺を歩き、樹木のそばでA3判の感光紙を広げて日光に15秒程度さらした。アイロンで熱を加えると、風に揺らぐ枝葉が淡い青色の影になって浮かび上がる。

 8月に平和記念公園を初めて訪れ、被爆樹木の存在を知った。浅見さんは「東日本大震災の後に核の問題を考えるようになった。被爆樹木には、強いメッセージを感じた」。7年前から取り組むフォトグラムで表現してみたいと思った。

 8日まで撮影し、作品を越谷市で20、21日に開く写真展で披露する。今後も数年かけて被爆樹木を撮り、広島での写真展も夢見ている。浅見さんTel090(9318)7780。

(2012年10月8日朝刊掲載)

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