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プロと奏でる被爆樹木の笛 千田小にパンフルート奏者パナさん 国際交流 若い感性磨く

 笛の一種パンフルートのプロ奏者で、スイス在住のコーネル・パナさん(63)が26日、広島市中区の千田小を訪れた。被爆樹木で作ったパンフルートを演奏し、平和学習に役立てている同小の活動を知り、交流が実現した。

 パンフルートはルーマニアの民族楽器。アーチ状につなげた、太さや長さの異なる筒を吹いて音を出す。パナさんは、バイオリンとピアノの奏者の計3人で訪問し、体育館で全校児童約620人に母国ルーマニアの民謡など5曲を披露した。合唱隊70人とも共演し、同小の卒業生が作詞作曲した「アオギリのうた」を奏でた。

 合唱隊の6年小川彩希さん(12)は「澄み切った音が出せる技術の高さに感動した。もっと練習を頑張りたい」と喜んでいた。同小では、校庭にあった被爆樹木カイヅカイブキが2014年に枯死。切り出した木材で作ったパンフルート約90台を所有し、課外クラブの合唱隊が演奏で使っている。

 中区で前日にあったコンサートに出演するため広島を訪れたパナさんが訪問を希望した。パナさんは「被爆地で、平和を願って音を奏でている子どもたちの気持ちが伝わってきた。楽器の魅力をもっと広めたい」と意気込んだ。(栾暁雨)

(2017年10月27日朝刊掲載)

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