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被爆 広島・9・11 NY 樹木交換へ 市が平和プロジェクト

 広島市の松井一実市長は27日、2001年9月の米中枢同時テロの被害を受けながら生き残った樹木「サバイバーツリー」の子孫と、被爆樹木の子孫を交換するプロジェクトを進める考えを明らかにした。

 この日、米国のNPO法人「1Future(ワン・フューチャー)」代表で、ニューヨーク市在住のアーティスト、キャノン・ハーシーさん(40)が広島市役所で松井市長に面会。テロの現場跡地にある「9・11記念博物館」と、市内の植物公園が、被爆樹木の苗か種の寄贈を受けたい意向を持っていると紹介し、博物館が管理するツリーの苗か種との交換を提案した。松井市長は「全力で協力したい」と賛成した。

 サバイバーツリーはナシの一種で、航空機が激突して崩壊した世界貿易センタービル前の街路樹だった。ビルのがれきで深刻なダメージを受けながらも「生還」。博物館の敷地に植えられている。

 ハーシーさんは取材に、「両市の『生き残った木』を交換することで友好を深め、平和をつくる具体的行動につなげたい」と話した。(城戸良彰)

(2017年10月28日朝刊掲載)

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