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戦争体験伝承 南京で交流 ボランティアら研修旅行

 原爆資料館を案内するピースボランティアや広島市が養成する被爆体験伝承者の有志らが、1937年の「南京大虐殺」の爪痕を中国に訪ねた研修旅行の報告会を中区で開いた。

 9月に実施し、広島の被爆者も含めた13人が参加。南京市の大虐殺記念館などを訪れた。南京市で活動する証言者で、銃剣を手にした日本兵に祖父を奪われたという男性と対面した。

 「自分も愛する孫の祖父になり、戦争体験を伝えなければと思った。戦争の犠牲者は常に人民。原爆も同じだろう」と言われ、多賀俊介さん(67)=西区=は「平和を求める人間的な願いは共通」と応じた。

 戦争体験を兵士から聞き取る活動をしている若者たちとも会った。その場で永原富明さん(70)=呉市=は持参した「被爆瓦」に触れてもらったという。

 研修旅行は原爆被害を伝える活動に生かそうと、四川省出身で広島大外国人客員研究員の楊小平さん(36)=東広島市=が企画した。今回で3回目。楊さんは「日中の間に壁は立ちはだかるが、活動を続けて若者同士の交流にも発展させたい」と話した。(金崎由美)

(2017年10月30日朝刊掲載)

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