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2部隊 近く岩国到着 FA18スーパーホーネット 艦載機移転の第2陣

 米海兵隊岩国基地(岩国市)へ米海軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機61機が移転する計画に伴い、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2部隊(1部隊ごとに12、13機)が近く岩国基地に到着する。8月のE2D早期警戒機5機に続く第2陣となる。EA18Gグラウラー電子戦機部隊(6機)も同時期に移るとの情報があり、今回の移転数は約30機に上る見通し。(松本恭治)

 移転予定の艦載機を搭載する空母ロナルド・レーガンは11~14日、セオドア・ルーズベルト、ニミッツの空母2隻と日本海で演習に参加。引き続き周辺海域で海上自衛隊と演習し、26日に終える予定。艦載機第2陣は早ければ27日ごろから岩国へ移る可能性がある。

 日本政府はこれまで、11月ごろにスーパーホーネット2部隊、来年1月ごろにグラウラー部隊が岩国に来ると説明。一方、在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は8月、これら3部隊を「今秋」に移転させると発表した。グラウラーの時期は食い違っており、中国四国防衛局は「米側に照会中」とする。

 艦載機は従来、ロナルド・レーガンが洋上展開を終え、母港の米海軍横須賀基地(横須賀市)に帰港するタイミングで厚木基地に飛来してきた。同司令部は8月の発表時に「秋の展開完了後、艦載機3部隊は厚木基地に戻らず、空母から岩国基地へ直接向かう」と説明している。

 日本政府のこれまでの説明では、来年1月ごろにもC2輸送機2機が岩国に移転する。最後にスーパーホーネットの別の2部隊が来年5月ごろに移り、同機の数は今年分を含め48機となる。移転が完了すれば、岩国基地の米軍機は約120機に倍増し、極東最大級の米軍基地に変貌する。

厚木騒音被害の「主因」

今までも飛来確認

 米空母艦載機移転の第2陣として、米海兵隊岩国基地へ近く到着するFA18スーパーホーネット。そのエンジン出力は岩国基地に常駐する従来型ホーネットより大きく、米海軍厚木基地周辺の騒音被害の主因とされてきた。「外来機」としてこれまでも岩国にたびたび飛来している。

 米空母3隻による大規模演習が日本海で始まった11日。中国新聞は午後1時5~6分に3機、同2時13分と同3時4分、同9時32分に各1機の計6機が岩国基地に着陸する様子を目視で確認した。いずれも基地南側上空に姿を現し、北側に向けて滑走路に降りた。

 市が基地周辺に設置している騒音測定器は、新幹線の車内に相当する70デシベル以上で5秒継続した音を計測する。市によると、滑走路南側の尾津町の測定器は、最後の1機が飛行中だったとみられる同9時26、27分に70デシベル台を記録。その他の着陸時間帯での計測はなかったという。

 一方、離陸時は着陸時を上回る騒音を計測した。翌12日午前6時50分、2機が北側に向けて離陸した際には94・8デシベルを記録。90デシベルは地下鉄車内に相当する。別の2機が同方向に飛び立った同7時38分ごろには、97・3デシベルの爆音が響いた。同じ測定器の今年4~10月の月別最高値は102・5~90・8デシベルで、これにほぼ匹敵する数値を記録した。(松本恭治)

(2017年11月21日朝刊掲載)

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