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戦地の父 手紙に愛込め 因島 日本人兵士の44通紹介

 第2次世界大戦中に太平洋の島で戦死した日本人兵士小林喜三(きそお)さんが、下関市に残した息子の征之祐(せいのすけ)さんに送り続けた絵はがきを紹介する企画展「ツルブからの手紙」が23日、尾道市因島中庄町の中庄公民館で始まった。

 喜三さんは1944年1月に激戦地のニューブリテン島(現パプアニューギニア)のツルブで戦死した。

 征之祐さんに送った44通のはがきには、戦地の食べ物や住民の様子が多彩なイラストで描かれている。息子を「征チャン」と呼んで成長を願い、下関から送られてきた写真に感激する記述も。戦況が厳しくなるにつれ喜三さんの思いはあふれ、はがきは文字で埋め尽くされていく。

 今年3月に亡くなった征之祐さんの追悼展として、喜三さんの本籍地因島で初めて開催。征之祐さんを取材したフリーライター井手久美子さん(66)の講演もあり、生前の征之祐さんが亡き父に書いた手紙を紹介した。

 因島重井町の非常勤講師柏原広雄さん(66)は「息子への愛情表現の豊かさに驚く」と見入っていた。

 27日まで、無料。午前9時~午後5時。実行委員会☎090(4440)0911。(田中謙太郎)

(2017年11月24日朝刊掲載)

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