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痛み乗り越え日英交流 元捕虜ら市民に体験談

 第2次世界大戦中に旧日本軍の捕虜だった英国人やその家族たちが23日、広島県尾道市を訪れた。向島町の捕虜収容所跡地見学や戦時中の捕虜体験を話す集いに出席。市民と交流した。(鈴木大介)

 一行は元捕虜2人と遺族たち8人。同町の市民センターむかいしまであった集いで、北海道の捕虜収容所で過ごしたサム・ハリスさん(92)は炭鉱での重労働や寒さに耐えた日々を振り返った。

 台湾で3年半捕虜として過ごしたケン・ペットさん(92)は初来日。長年にわたり日本を許せなかったと吐露したが「捕虜収容所の存在を忘れていないのがうれしい」と語った。

 市民約20人が参加。尾道市門田町の看護師溝淵尚子さん(48)は「つらい体験を聞き、平和への思いを新たにした」と話した。

 集いに先立ち、向島町にある日英友好のモニュメントや、収容所で死去した英国兵23人の名を刻んだ慰霊プレートがあった現場も訪れた。一行は15日に来日。平和記念公園(広島市中区)や英連邦戦死者墓地(横浜市)などを巡り、29日に帰国する。

(2012年10月24日朝刊掲載)

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