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戦時に供出 鐘の音再び 周防大島 西正寺が新調 撞初式

 周防大島町日前の浄土宗西正寺で7日、新調した鐘を初めて突く「撞初(つきぞめ)式」があった。戦時中の供出以後、寺には鐘がなかったとされ、70年以上を経て再び地域に鐘の音が響いた。

 青銅製で高さ110センチ、幅60センチ、重さ250キロ。式では大嶋康隆住職(32)が、鐘楼門を清め、鐘に魂を込める開眼供養をした。檀家(だんか)約30人が鐘を突き、余韻豊かな音を響かせた。

 寺は昨年9月、地元出身で社寺建築会社会長の山田幸保さん(86)=東京=が中心となり、寄付金約4千万円を集め約450年ぶりに鐘楼門を建て替えた。門に鐘がなかったため、新たに寄付を募って約250万円で新調した。

 「鐘の音は心に安らぎをもたらしてくれる」と総代長の松本礼さん(72)。大嶋住職は「心がすがすがしくなる響き。皆さんの協力がありがたい」と喜んでいた。(余村泰樹)

(2017年12月8日朝刊掲載)

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