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広島市の景観 在り方考える 原爆資料館でシンポ

 広島市の景観の在り方を考えるシンポジウムが27日、中区の原爆資料館であった。市が主催し、約250人が参加。パネリスト3人が、被爆から復興した広島の歴史や文化を生かした景観づくりについて意見を交わした。

 早稲田大の伊藤滋特命教授(都市計画)は基調講演で、狭い路地が残る東京・神楽坂などを紹介。「名所や旧跡だけでなく、街全体で観光客を引きつけるようなアイデアが大切だ」と説いた。

 続くパネル討論で、伊藤教授は「広島は街路樹が手入れされ、清潔感もある。太田川も財産だ」と指摘。国土交通省の舟引敏明公園緑地・景観課長は「平和大通りを軸にした広島の戦災復興は都市計画の成功例」とし、今後もその理念を生かすよう求めた。

 パネリストを務めた松井一実市長は「2人の意見を参考に平和の心を持ち、にぎわいを生む景観づくりをしたい」と話した。(永里真弓)

(2012年10月28日朝刊掲載)

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