×

ニュース

戦時中の体験談 ビデオに 大田二中生が収録 文化祭で上映

 島根県大田二中(大田市)の3年生が27日、同校であった文化祭で、戦争を体験した同市内の高齢者を取材して制作した証言ビデオを上映した。

 戦争の記憶の風化が進む中、映像を後世に残そうと山尾一郎教頭(54)が呼び掛け、生徒6人が応じた。夏休みに同市の鳥井町と富山町に住む77~91歳の男女9人を取材。収録時間は4時間に及んだ。

 広島への原爆投下から3日後、大田市内に運ばれた被爆兵士の手当てをした加藤民子さん(77)は「水をくれ、と言われても、何もできなかったのがつらかった」と振り返った。

 戦争の恐ろしさや、食料や衣類の不足など戦時中の苦労を語る高齢者が多く、21分間の作品のタイトルは「忘れ去られた戦時中の暮らし」とした。

 高齢者を取材した林貴弘君(15)は「戦争でいいことは何一つないと分かった」と話していた。(浜岡学)

(2012年10月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ