×

ニュース

原告11人が控訴 原爆症訴訟 広島高裁

 原爆で心筋梗塞などを発症したのに、原爆症と認めないのは不当として、原爆症の認定申請の却下処分取り消しなどを国に求めた訴訟で、訴えを棄却した広島地裁判決を不服として被爆者12人のうち、11人が11日、広島高裁に控訴した。

 11月28日の広島地裁判決は、国際的な科学的知見を基に、各原告の被爆距離と被爆後の行動から疾病と原爆との関連性などを検討。「疾病を起こす線量の被曝(ひばく)をしていない」「発熱、下痢などの急性症状が認められない」などと関連性や治療の必要性を否定した。

 原告の1人、佐々木シズエさん(87)=廿日市市=は「未解明な放射線量で線引きされ、納得がいかない。もう少し頑張ってみたい」と話している。原告弁護団によると、係争中に亡くなった男性1人は控訴しない。(有岡英俊)

(2017年12月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ