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被爆時街並み地図復刻 戦前最後の区域変更や新町名反映 あき書房

 広島市南区の古書店「あき書房」が、1934(昭和9)年に発行された広島市街地の地図を復刻し、発売した。戦前では最後となる33年12月の区域変更や新町名を反映しており、被爆当時の街を知る手掛かりとなりそうだ。

 市中心部にあった金正堂書店(現金正堂)が発行した「番地入大広島市街地図」。あき書房店主の石踊一則さん(70)が呉市の男性から古地図を譲り受け、「昔の住所を頼りに親族が暮らした場所を訪ねたい人に役立ててもらえる」と復刻を企画した。

 33年に発行された別の地図と比べると、現在の中区胡町一帯や千田、舟入地区、西区の横川地区、南区の東雲、皆実地区などの町名が大幅に変わっている。33年版にはなかったバス路線や停留所の表記もある。

 原爆資料館(中区)学芸課の菊楽忍さん(59)は「入手できる地図の中では、被爆当時の地番が最も詳しく書かれているのではないか」と指摘する。

 併せて、47年発行の都市計画図「新広島市地図」も復刻した。江波地区などで計画されながら、建設が実現しなかった幻の「100メートル道路」が描かれている。各1080円。あき書房☎082(255)1916。(馬場洋太)

(2017年12月12日朝刊掲載)

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