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低空飛行訓練 中止を オスプレイ 岩国・廿日市の団体

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の輸送機オスプレイが岩国基地(岩国市)を拠点に低空飛行訓練をした可能性がある問題で、岩国市、廿日市市の市民団体が19日、反対の声を上げた。訓練を中止するよう、それぞれ岩国市、国に要請。広島県の湯崎英彦知事は、国に事実関係を照会したことを明らかにした。

 岩国市の市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は、桑原清共同代表たちが市役所を訪れ、高田昭彦基地政策担当部長に文書を手渡した。岩国基地公式ホームページ(HP)の掲載記事で判明した低空飛行訓練の中止とともに、訓練の実態解明を国や米軍に要請するよう市に求めた。

 高田部長は「HPの記事には具体的な訓練場所が書かれていない」などとし、現時点で国や米軍に申し入れる考えはないと回答。一方で、高度制限などを巡る日米合同委員会合意に反した飛行がなかったかを確認する意向を示した。

 廿日市市の市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」は、菊間みどり共同代表(55)たちが中国四国防衛局(広島市中区)に要請書を提出。基地をオスプレイの訓練拠点にしないことや、米空母艦載機の移転撤回などを求めた。

 一方、湯崎知事は定例記者会見で「詳細な訓練内容は明らかにされていない」と指摘。県によると、オスプレイの岩国基地駐留について、防衛局から11月9日、陸上自衛隊の大矢野原演習場(熊本県山都町)での日米共同訓練に合わせ、「機体整備などのため4機程度駐留する」との連絡があっただけという。

 岩国基地は従来、オスプレイが他基地などを往来する際の中継地とされていた。しかし、岩国基地のHPに掲載された13日付記事は「オスプレイの運用部隊が同基地で訓練を始めた」「低空飛行訓練などで(沖縄とは)異なる岩国の環境を活用した」などと伝えた。(松本恭治、久保田剛、胡子洋)

(2017年12月20日朝刊掲載)

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