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日米友好の人形 平和の旅を報告 因島でハワイ大教授

 戦前、平和の使者として米国から日本に多数贈られた「青い目の人形」の一つ「メリー」が、尾道市因島三庄町の因島南認定こども園にある。ハワイ大ヒロ校の本田正文教授がことし、メリーを使った平和学習をハワイで行った。26日に同園を訪れ、人形を通じた交流を園児に語った。

 紺色のマントとベレー帽をまとったメリーは1927年、同園の前身である旧土生幼稚園に贈られた。日米関係が悪化する中、米国の牧師が橋渡し役となり贈られた約1万2千体の一つ。

 日系米国人について研究していた本田教授は6月、同園から人形を借りた。8月にハワイであった広島、長崎の原爆についての展示会場で人形を紹介したほか、従軍した日系2世に見せたりした。

 この日、園児37人を前に、本田教授は「メリーさんがハワイで平和の大切さを伝えたよ」と語った。南魁音(かいと)ちゃん(6)は「大切な旅をしたんだね」とうなずいた。

 本田教授は「戦争を食い止めるため、日米で人形を通じた交流があった歴史を伝えたい」と話していた。(田中謙太郎)

(2017年12月27日朝刊掲載)

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