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地域課題 解決策学ぶ フィリピン・ミンダナオ島の若者 廿日市で高齢者施設視察

 フィリピン・ミンダナオ島で発足を目指す自治政府の職員候補者6人が17日、廿日市市吉和地域で2日間の研修を始めた。初日は、市が建設し、地元住民が運営する高齢者宿泊施設「ほっと吉和」を視察し、官民協働の地域づくりを学んだ。

 6人は宿泊施設の部屋や食堂などを見学。運営するNPO法人の益本住夫理事長(70)から「地元が求める施設の誘致に市は動いたが、応じる事業者がないため有志で引き受けた」との経緯を聞いた。ロニー・アラプさん(28)は「住民の声を聞いて地域の課題の解決を試みる例として参考になった」と話した。

 40年以上紛争が続いたミンダナオ島では、2014年に自治政府設立を柱とする和平合意が成立したが、実現していない。6人は自治政府での勤務を志す20代の男女。地方行政などを学んでもらおうと、広島大と県、国際協力機構(JICA)が招いた。18日は住民との意見交換などをする。(森戸新士)

(2018年1月18日朝刊掲載)

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