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イランと広島 平和の絆 首長会議事務局 ババハさん研修

 化学兵器と原爆の被害を伝えるイランのテヘラン平和博物館のボランティア、ファテメ・ババハさん(24)が今月、広島市中区の平和首長会議事務局で研修している。同国の加盟都市数は同館の呼び掛けが力になり日本に次ぐ990。「広島の被爆者たちのメッセージを伝え、さらに増やしたい」と意気込む。

 同国は、1980年代のイラン・イラク戦争で化学兵器の毒ガス攻撃を受けた。博物館は、被害者と広島市民の交流も後押しに、2007年に開館。ババハさんは大学院で免疫学を学びながら、被害者の証言活動などをサポートしている。

 広島市には今月9日から26日まで滞在。首長会議事務局の広島平和文化センターで業務を手伝いながら、原爆資料館を見学したり被爆証言を聞いたりし、原爆被害を学ぶ。21日は市内に若者を集め、インターネット電話で博物館とつないで現地の加盟都市の平和活動を紹介した。

 同国で加盟が広がる要因を「広島もイランも大量破壊兵器の被害に苦しんできたから」とみる。イランは欧米から核開発疑惑の目を向けられた一方、核兵器禁止条約交渉に参加し、採決で賛成した。「私たちの国も条約へ将来参加してくれると期待している」。ババハさんによると同国内で首長会議に未加盟の都市は残り約100といい、帰国後、加盟拡大へ力を注ぐ。(水川恭輔)

(2018年1月23日朝刊掲載)

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