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[イワクニ 地域と米軍基地] 全県域で拡張反対強化 騒音懸念 広島の団体衣替え

 廿日市市の市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」は27日、広島市中区で総会を開き、団体名から「西部」を外し、活動地域を県内全域に拡大することを決めた。米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機の移転が本格化したのを踏まえ、騒音被害を受ける範囲が広がるとみて活動を強化する。

 約70人が出席した。坂本千尋共同代表(64)が活動の拡充について説明。広島市や廿日市市での米軍機の目撃情報が増えたと指摘し、「一人一人が騒音被害をしっかり報告すれば、地元自治体を動かす力になる」と強調した。中国山地での低空飛行訓練の反対運動など新たな活動目的が了承された。

 会は昨年4月、活動地域の拡大を見越し、三次市に県北地域世話人会を設立。福山市など県東部からの入会者も増えているという。今年は米軍機の目撃情報の収集強化などに取り組む。

 会は2005年12月に発足し会員は現在、約250人。昨年8月に始まった艦載機移転計画の撤回などを米政府に働き掛けるよう廿日市市や県、国などに訴え続けている。世話人の一人、実国義範さん(66)=庄原市=は「沖縄のような被害が出ないよう取り組んでいきたい」と話した。

 総会後、長年、沖縄県の基地問題の報道に携わっていた琉球新報社(那覇市)の松元剛・読者事業局次長が講演。沖縄で米軍ヘリコプターの不時着が相次いでいるのに触れ、「極東最大級の基地になる岩国でも事故は起き得る」とし、沖縄と岩国が連携を強める必要性を訴えた。(久保田剛)

(2018年1月28日朝刊掲載)

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