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占領軍、地下壕使う写真 呉高専調査 豪記念館が7枚保管 パネルを一般公開へ

 広島県呉市の海上自衛隊呉基地内に残る旧日本海軍の地下壕(ごう)を調査している呉高専が、進駐した英連邦占領軍が地下壕を使う戦後間もない時期の写真を見つけた。11日、現地であった調査説明会で公表した。写真は地下壕の一般公開時などにパネル展示される。(浜村満大)

 写真は、占領軍が地下壕に設けた電話交換所で働く日本人や、軍人と階段に並んで納まる日本人の様子などを記録している。オーストラリア戦争記念館が保管していることを突き止め、7枚の写真を取り寄せた。

 光井周平准教授(建築構造)が説明会で、写真を交えて地下壕の使われ方を解説。学生も普段は公開されていない地下通路内の様子を動画で報告した。調査を依頼した海自隊呉地方総監部や市の関係者たち約80人が成果に聞き入った。

 地下壕は1945年4月ごろに完成した。旧海軍の呉鎮守府が臨時の作戦司令室として使い、「地下作戦室」とも呼ばれていた。市は今月、地下壕を日本遺産の構成文化財として文化庁に追加申請した。4月下旬にも認定される見込み。

 5年現田泰生さん(20)は「まだ未解明な部分も多い。完成当時の図面の発掘や、働いていた人への聞き取り調査などにも取り組んでいきたい」と話していた。

(2018年2月12日朝刊掲載)

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