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核禁止条約 発信強化を ICAN・川崎氏 広島で呼び掛け

 昨年7月に国連で制定された核兵器禁止条約の推進へ市民の役割を考える講演会が17日、広島市中区の原爆資料館であった。制定に貢献してノーベル平和賞を受けた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)・国際運営委員(49)が、条約発効に向け、被爆地から原爆被害や条約について発信を強めるよう呼び掛けた。

 川崎氏は、条約は50カ国の批准で発効するが、現状は5カ国と解説。批准への世論を高めるため、「原爆資料館を訪れる世界中の人が原爆の悲惨さを学んだ上で自国が批准しているかどうかに関心を持ち、帰国後に話し合うのが重要」と指摘した。同館内に、批准状況が分かる世界地図を展示することなどを提案した。

 また、米国の「核の傘」を求めて条約に背を向ける日本政府を批判。「政府は『核兵器は正当』の声を高めている。今、違和感を表明しないと当たり前になってしまう」と指摘し、会員制交流サイト(SNS)などを使った草の根からの廃絶の訴えを促した。講演会は同館が開き、約250人が参加した。(水川恭輔)

(2018年2月18日朝刊掲載)

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