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歌で招いた被爆桜 南区 特別支援校で植樹

 広島市南区の市立広島特別支援学校が20日、安田女子高(中区)の被爆桜から育てられた苗木を校内に植樹した。被爆桜をテーマにした歌を合唱する生徒たちが「学校に咲かせたい」と訴え、実現した。

 北門そばで、高等部職業コース2、3年生や小学部5年生たち計約70人が参加して植樹式を開催。高さ約1.4メートルのソメイヨシノの苗木の根元に、代表者がシャベルで土をかけ、水をやった。

 同コースの生徒は平和学習の一環で、昨年度から被爆桜をテーマにした合唱曲「さくらよ」を練習し、校内外で披露。被爆桜への関心が高まったという。安田女子高の生徒会が爆心地から2.1キロで被爆したソメイヨシノを接ぎ木した苗木を育てており、もらい受けることになった。

 植樹後には「さくらよ」を合唱。ピアノ伴奏をした同コース2年佐久間悠さん(17)は「被爆しても力強く生きてきたのがすごい。花が咲くのが楽しみ」と話した。中尾秀行校長は「被爆桜と合唱を通じて平和への思いをつないでほしい」と目を細めた。(仁科裕成)

(2018年2月21日朝刊掲載)

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