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被爆の街 映像リアルに パノラマ模型見本資料館改修へ公開

 広島市は19日、大幅改修する原爆資料館(中区)に設ける新たなパノラマ模型のサンプルを初公開した。原爆投下前後の街の映像などを映し出し、一発の原爆によって壊滅した広島を来館者に分かりやすく伝える。映像を効果的に使う今回の改修の特色を表すメーン展示の一つになる。(田中美千子)

 資料館東館で19日あった、展示内容の見直しを助言する有識者検討会議(今中亘委員長、11人)で示した。

 パノラマ模型は現在、本館と東館にある。計画ではこれらを一新。新たな模型を、改修後の見学ルート導入部となる東館3階に設ける。

 新たな模型は直径約5メートルの白い円形。爆心地を中心に一帯の地形を再現し、天井から映像を映すと街の様子が立体的に見える仕組み。被爆前後や火災の広がりの状況を表現でき、被爆者が描いた絵などの映像に切り替えることも可能だ。

 会議では、爆心地付近の80センチ四方のサンプルに8種類の映像を映した。委員からは「今の模型より多くの情報が伝わる」と評価の声があった一方、「都市が壊滅した様子を分かりやすくしてほしい」といった注文も相次いだ。

 改修工事は2014、15年度に東館、16、17年度に本館で実施する。新たなパノラマ模型がある東館は16年度中に再オープン。本館も含めた全面再オープンは18年度になる予定だ。

(2012年11月20日朝刊掲載)

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