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「地上イージス」賛否交錯 「安全へ不可欠」「県民が危険に」 山口県議会一般質問

 開会中の山口県議会一般質問で、国が萩市を候補地に検討する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画を巡る議論が活発化している。最大会派の自民党は導入賛成の一方、野党会派は「県民を危険にさらす」と批判を強める。村岡嗣政知事は、国防は国の専管事項で基本的に協力するとした上で「言うべきことは言う」と理解を求めた。

 8日までの3日間で4人が質問した。自民党の議員は「国民の生命財産を守るため必要不可欠な装備だ」と述べ県の方針を問うた。

 県の佐々木克之総務部長は、現時点で国から配備先に決まったとの報告はないと説明。「仮に候補地になれば防衛政策を専管する国が必要と判断したもので基本的に協力したい」と答弁。「住民に不安を与えないよう国には説明を求めたい」とした。

 野党会派は総じて県の姿勢を疑問視した。共産党の議員は「住民に不安が広がるのに、県は国に物申さない立場に固執している」と主張。社民党・市民連合の議員2人も「国策には必ず協力するのか」「地元に何ら説明がない」と追及した。

 村岡知事は「国に言うべきことは言う。イージス・アショアについてもこの姿勢を堅持し適切に対処する」と反論した。(和多正憲)

イージス・アショア
 北朝鮮への弾道ミサイル防衛(BMD)の強化策として、政府が2017年12月に国内2基の導入を閣議決定した。萩市の陸上自衛隊むつみ演習場と秋田市の陸自新屋演習場を配備先に検討している。海上自衛隊のイージス艦と同様のレーダーやミサイル発射装置などから構成され、23年度の運用開始を目指している。

(2018年3月9日朝刊掲載)

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